NHKドラマ・漫画『ひらやすみ』のあのセリフに感じる、コンサルタントのマインドとのギャップ

NHKはいろいろ言われてはいるけれど、ドラマの着眼点はすごくいいと思うんだよね。

2025年の秋ごろから、NHKで放送されていたドラマ「ひらやすみ」。instagramでたまに宣伝が出てたけど、仕事が終わらず、自分はリアルタイムでほとんど見ることができなかった。

しかし、2025年末にはamazonのプライムビデオで配信が始まり、ユーザーの自分も見れるようになって、毎日数話ずつを一気見。1話20分ほどの20話を1週間あまりで一気見。

自分はもともと漫画も全巻揃えるほど、作品『ひらやすみ』に愛着を感じていたのだが、ドラマ化される時には嬉しいという感情と「んー、面白いといいけど」という感情が混ざり合う不思議な感覚だった。結果的にはドラマを全部通しで見るくらい、作品のクオリティには満足している。

ドラマの中で、主人公が発したセリフに自分の思うところがあって、今回書くことにした。自分が今回書き込んでいるのと同様、このドラマを見た時にはあなたもおそらく「自分との対比」という観点で何かSNSなどに書き込む、SNSでなくとも日記でもメモ帳でも何かに書き込みたくなるんじゃないかなと、そんな風に思う。

そもそも『ひらやすみ』って

『ひらやすみ』という作品を知っている人も知らない人も、どんなあらすじか、まずは振り返ってみましょう。

以下、あらすじ。

安アパートに住む29歳のフリーター・生田ヒロトは、中央線沿線の釣り堀でアルバイトをしながらのんびり暮らしている人物で、定職も恋人もなく気楽な性格。ある日、仲良くしていた近所の老婦人・和田はなえから平屋の家を譲り受けることになる。そこへ、美術大学進学のため18歳の従姉妹・小林なつみが山形から上京し、二人暮らしが始まった。ヒロトは日々の食事や釣りに心を傾け、なつみは美術の夢を抱きつつ自分の居場所を模索している。周囲には友人の野口ヒデキや仕事に真面目な立花よもぎなど多様な人々が現れ、交流を通じて日常の中の小さな喜びや悩みが丁寧に描かれていく。劇的な事件は起きず、静かな日々を積み重ねていく。

平和で平凡な話なんです。事件らしい事件が起きない。ま、多少は起きるけど。

現代って生活しづらいし、ビジネスは当然のように結果が求められる。日々のストレスは溜まるので苦しい。そんな現実があるからこそ、ひらやすみのようなゆるさは自分に刺さった。

ちなみにひらやすみはマンガ大賞や小学館漫画賞を受賞している。

漫画の連載が始まったのが2021年、実写ドラマ化されたのが2025年11月。主人公生田ヒロトは、ドラマ版で岡山天音さん、小林なつみは森七菜さん、野口ヒデキは吉村界人さん、立花よもぎには吉岡里帆さんが演じている。漫画読んでいる立場からすると野口ヒデキを演じる吉村界人さんが役としてとんでもなく当たっていると感じる。

舞台は阿佐ヶ谷。92%阿佐ヶ谷で、残り3%は生田ヒロト、小林なつみ、野口ヒデキの出身地山形。3%は小林なつみの通う美大、2%は小林なつみさんが頻繁に訪問する出版社がある神保町。

阿佐ヶ谷に主人公の住む平屋があって、主にそこでストーリーは展開していく。

なんでそもそも緩い話なのだろうかというと、生田ヒロト自身がゆるいからだ。俳優を志し上京したけれども、諸事情で心が荒み、俳優を諦めて今に至る。俳優からフリーターになるって変化が職業の変化だけでなく、マインドの変化をもたらしたんだなというのが漫画でもドラマでもエピソードのシーン付きで語られる。

作中、生田ヒロトの「今を楽しむ、これからのことはなんとかなる。だから気楽に行こうよ」というメッセージは漫画やドラマを通じて感じる。

作者:真造 圭伍さん

真造 圭伍さんはなぜ、ゆったりした張り詰めた空気のない漫画である「ひらやすみ」を書いたんだろうか。色々調べたけど、ここはご自身で調べて読んでみてほしい。いろいろ情報が世の中にはあるもんで。

真造さんは山形出身ではないのに、主人公を山形出身に設定していて、山形出身の自分としては嬉しい限り。ちなみに山形市はラーメン消費量が全国で最も多い都市です。

主人公、生田ヒロトが発したあのセリフ

主人公ヒロトが発するセリフの中で、とても印象に残ったものがある。そのセリフを聞くと、自分の今置かれている立場とヒロトの言葉を比較したくなるくらいだ。

そのセリフとは、

頑張らなくていいんだよ。

という言葉。これ。

この言葉、どんなシーンでヒロトが発したかと言うと、親友の野口ヒデキが仕事で落ち込んでた時のこと。仕事ができるが故に他者を見下す態度を取る横柄な部下に、パワハラと言えるほどの言葉を吐かれて自分を見失っていたヒデキ。業務にあからさまに支障が出るほどメンタルが悪化しているけど、家族を養うため、特に生まれたばかりの子供を思い、収入を得るために歯を食いしばって自分を犠牲にして働き続けていた。いつも強面の妻にも心配されるほど、彼のメンタルはとんでもなく落ち込んでいるけど耐えていた。

そのような状況の中、彼を救ったのが上記で書いたセリフ。ヒロトは、諭すようにヒデキに伝える。頑張っているけど、それが度を超えたらダメなんだ。そんな意味を込めた言葉を。

気づけば、ヒロトはヒデキ以外にも、同居人のなつみにも似たような言葉をかけていました。

「あまりやりすぎないようにね」

ヒロトはがんばろうという人に、敢えてそんな言葉をかける。

それは、ヒロト自身も頑張りすぎて潰れてしまった経験、俳優を諦めた経験があったから。俳優を目指して、役も与えられていたにも関わらず、頑張りすぎてしまって彼は自分を見失ってしまった。見失ってしまった自分を再度見つめ直すために、彼は俳優を辞めてフリーターとして新たな人生を歩み始める。そして、彼は「ばーちゃん」と出会い、結果的に平家に住むことになる。

コンサルタントとは真逆の立場

ヒロトの言葉、哲学感と言っても良い「頑張らなくて良い」。今自分がコンサルタントとして働いているので、真逆の言葉として受け取っている。

コンサルティング業界に身をおくと、頑張りすぎないといけない。そうでもしないと評価されない。長時間労働は当たり前。重すぎるストレスといかに向き合いながら、コンサルタントとしてのキャリアを積み上げていくか。業界にいる人間はそればかり考えている。

コンサルタントとして生き抜いた人材もいれば、コンサルティング業界から離脱(聞こえは良くすると「卒業」)する人材もいる。ポジティブな理由で卒業する者もいれば、ネガティブな理由で離れざるを得ない人材も多い。むしろその方が大多数であろう。

コンサルタントとしてアフターファイブだけではなく、休日までも潰す。そんな人生にやりがいを感じる人材もいれば、仕事に支配されるのを嫌悪して離れる人材もいる。自分で自分に「頑張らなくていい」と言った結果なんだと思う。

いつか自分も生田ヒロトのような感情を持ち、言葉を発するのではないか

いつか自分もコンサルタントして離れるだろう。自分にすでに「頑張らなくていいけど、もう少し頑張ってみないか」という言葉をかけている。やがて、この言葉が変化して「もう頑張らなくていいよ」という言葉を自分に発したタイミングで多くの収入やコンサルタントとしてのやりがいと引き換えに自由を手に入れるんだと思う。

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