TOEICを10数年ぶりに受験した外資系コンサルタントの軌跡

外資のコンサルタントともなると、社内のドキュメントが日本語訳のない英語のみという場面は多々ある。研修動画が英語のみで展開され、なんかのインシデント発生防ぎましょうは理解できたけど、一旦何のインシデント!?という経験もあり。そうなると、研修動画でストーリーテラーが話している雰囲気やなんとなく聞こえるキーワードを拾って理解するしかない。

昨今は、生成AI関連をテーマにした研修が多く、つい先日、オンラインの研修で、英語で作られたドキュメントを読み上げ、その内容をもとにテストに合格しなければ何回も受講する必要があり、10回くらいテストを受けた。英語のできない自分には時間と体力が浪費され、思いの外つらかった。

生成AIすら碌に理解していないのに、英語も理解していないから何一つ頭に入ってこない。

さすがにこれはいかん、ということで英語を学ぶ必要性を痛感した。

過去に掴んだTOEICの傾向と対策は忘却の彼方へ

やっぱり英語を学ぶのであれば、TOEICだろってことで受験を決意した。TOEIC、実は私は10年以上前に何度か受験していた。この10数年の間に、TOEICは大きな変革を迎えていた。それは出題の傾向が大きく変わったことだ。よりリアルな会話、リアルな状況を再現した英文記事などの出題が増加した、とのこと。そんな変化をうっすらニュースやSNSで知っていたものの、あくまでそれを知った時はTOEICとは無縁だった。

そんな出題傾向すら覚えていない、というか変わったから知らない状況からのスタート。それに加えて、英語の文法、単語全部忘れた。強いて覚えているとすればコンサルファームの中で飛び交っている横文字くらいだ。

「これ、誰がグリップしてんの?」、「これってDone?」、「アベイラブル」、「なんだよ薮からスティック」などなど。最後の名言はみなさん大好き、ルー大柴さんの名言。

2月から対策をやった

6月1週目に初めてTOEICを受験したのだが、対策は2月上旬から行なっていた。まずはTEX加藤氏著書の「TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ」で単語習得。ちなみに、本の表紙は金ではなく黄土色を少し濃くした感じ。

これがまた意外に覚えてた。外コンともなると、やはり結構な数の横文字使ってたようだ。

と言っても意外に覚えていただけで、やっぱり忘れていた、知らない単語は多かった。何周かして、自然に覚えられる単語もあれば、何度読んでも思い出せない単語というのがあるんだと気づく。そういえば、大学受験に向けて勉強していた時も同じように感じていたのかもしれない。

単語の習得と同時に、文法の取得も行った。文法はこれまたTEX加藤氏の「TOEIC L&Rテスト 文法出る問題 でる1000問」なるものを買った。正確には1049問あり、品詞や関係詞、形容詞や副詞など文法に関する問題が幅広く掲載されている。これをマスターすれば、当日のTOEICでPart5の文法問題は確実に満点を取れる、とのレビューがあり、購入した。

正直、単語覚えるよりもこっちの方が楽しい。暗記はその名の通り「覚えなきゃ」という義務感にとらわれてしまう中、文法はクイズ感覚。これはTOEICのPart5の対策として有効。

その他、リスニングパートであるPart1から4、リーディングのPart6と7はTOEICの公式問題集を解いて出題形式になれることとした。

「公式TOEIC Listening & Reading 650+」。価格としては3,000円を超える逆に破格の値段。特にリスニングではテスト本番の方のスピーキング音声が聞ける、ということでおすすめ。あらかじめ言っとくと、自分が本番のテストに臨んだ際、ほんとに本番の方のスピーキングの音声だ!みたいな感覚は全くなかった。

正直意味不、受付編

さて、数ヶ月という短い学習時間で迎えたTOEIC本番。6月上旬のカラッとした暑さの中、大学まで行って授業を受けに行ってきたよ。

TOEIC受けるのは10年以上ぶりで、出題形式だけではなく、受付から試験終了までの一連の流れも忘れてしまった。

まず、そもそもTOEIC受験のためには、事前に自宅に送られてくる受験票に証明写真を貼り付けなければならないんだね。知らなかったよ。受験票に記載されている文章をほぼ読んですらおらず、証明写真で顔写真を撮影が必要であると認識したくらい。

当日、試験場である教室の入り口付近に設けられた受付。そこで本人確認をするのだが、直前で受験票に顔写真を貼り付けることに気づき、素直?受付で申し出て、財布に入れていた証明写真で撮影した1枚の写真を受験票に貼り付けた。マイナンバーカードと受験票を提示して本人確認を行い、受付は完了。

受験票に記載の受験番号に従って席に座った。すでに回答用紙が机の上に置かれていた。試験官が黒板の前に立ち、「9時55分前にまだ余裕のある方は回答用紙に自分の氏名、受験番号をご記入ください。9時55分を過ぎるとトイレにはいけませんので今のうちにご利用ください。」とのこと。

ここでTOEIC受験に慣れていたら、そんなアナウンス聞かずともスラスラと回答用紙の記入に移れたのかもしれないが、何せ10数年ぶりのTOEICの受験なんで周りが何をやっているか観察しながらアクションを起こす。会場に到着していた大体3割位の人は回答用紙の記入してたかな。自分もそれに倣い、HBのシャープペンで塗り塗り。

会場に到着していた残りの7割の人は、ほぼ単語帳開いてた。もうここまでほんとの直前になると皆様、単語帳開くんだね。

正直意味不、回答編

9時55分を過ぎると、試験官がTOEICについていろいろ説明してくれる時間。不正やるとほんとやべぇから気をつけろよ、的なことを何度も言われる。ほんとに何度も言われる。

その後、少々の待ち時間後、TOEICの試験は始まる。

リスニングのPart1は、問題用紙に掲載されている画像の通りの選択肢を、スピーカーが話す4つの選択肢の中から選ぶ問題。その数6つ。

正直、「たぶんこれだろう」的な感じで回答。自信のある回答は半分くらい。その他は「…これかな」という感覚的な回答をしている。

Part2は、画像も解答の文言もない、ただ問題文を英語を聞いて、それに対して適切な回答を4つの中から選ぶという単純な形式。ここでもはや「はて…答えなんか知りません」と逆に自信を持って回答してしまう時間のスタート。心折れかける。同時に「よし、次回以降のTOEICがんばろう」と思わせてくれる時間でもある。

Part3。同じくヒアリング、40秒程度の2人の会話。たまに3人になることもある。Part2で目標点数さよならになってしまったけど、とりあえずここもできるだけ聞くようにする。そして、聞いてもよくわからないことがよくわかった。とりあえず雰囲気でマークする(雰囲気って何よ)

Part4。1人のスピーキングを元に回答する。もうここまでくると、焼け野原。もう頭の中には、HPほぼなし状態。次のTOEICって2週間後だっけ?確か、次の会場は自宅にもっと近いはずでラッキー、など焼け野原に突っ立っている自分は戦後の復興を夢見ていた。

時間を費やしたPart5

正直、TOEICの各パートの中でどこに自信があるかを問われたら、Part5であると答える。何よりも多く時間を割いているからだ。Part1のようなまぁ満点目指そうぜ、という類の考えは一旦隅に置いて、Part5はそれなりに毎日時間をかけて問題をひたすら解いていたので、満点ではないにしても8割はなんとか取りたい。

Part5の出題形式は文法問題。1つの文章の中に、空所があり、適切なワードを選択するのである。空所の答えは様々で、動詞、形容詞、副詞などを選択する、関係詞を選択する。単語の意味を適切に選択する、など。

このPart5、時間をかけたらかけた分だけ伸びるとのことで、2月から朝、夜の仕事を始める前後にほぼ毎日行っていた。おそらく5周くらいは終わっていたと思う。5周の中で、あたり続けて自分が今後解く必要性を感じない問題もあれば、何回も間違い続けた問題もある。5周目の時点では間違った問題だけ繰り返し解くルーティーンになっていた。

本番の試験では、その効果が出ていたのか。

感覚的には、全くやった効果は出なかったように思う。その理由は、問題を解く上で、なぜこの文法ではこの単語が入るのがよくわかっていなかったからだ。普段の学習で、問題を解くことを優先するあまりに、理解に重点を置いていなかったように感じた。

「なぜ」。コンサルなのに、この視点を失っていたのかもしれない。

そして、答えの選択に時間をかけてしまったPart5を終え、Part6。出された長文の中に空所があり、その空所に適切な単語、文章を埋める問題だ。Part5の延長であり、Part5学習の即効性が出やすいのはここまで。

そして、Part7。長文問題である。メールやチャット、案内文など多様な形式の長文が出るのだが、長文というだけあって問題を解くのに時間を要する。ここで、問題を解き終わることなく時間がなくなり、20問近くを塗り絵にしてしまうという大きな課題が発生する。

時間がなくなり、試験官が終了の合図を告げて問題用紙と回答用紙をそれぞれ回収。受験生は、それぞれの帰路へ。

Part 7は全部解き終わらなくてもいいのか論争

論争というほどでもないんだけど、Part7全部解き終わらない人は結構いるらしい。自分もそうである。解き終わらないことで何十点、自分の場合は少なくとも10問、単純計算して50点分(単純に1問あたりの配点が5点ではない)損したことになる。仮に20問分損した場合、100点分も損をする。

絶対あり得ないが、他の問題が全問正解したとしても、890点しか得点できないことになる。(TOEICは単純に1問5点ではない)

もちろん他の問題もまぁボロボロだったわけで、問題を捨てたかつ他の問題含めて正答率も低いということで低得点になってしまうという。

もうそこで目標点数を下回ってしまう。そこで思うのが、このTOEIC地獄を抜け出されるのか、不安である。

そこでいろいろ調べると、さらにTOEICで900点越えを果たした友人に聞いてみたところ、満点近くを狙う人間しか完全解答できないらしい。結論、全部回答できなくても気にするな、とのことだった。なぁーんだ。

さらに、YouTubeで動画を色々漁ってみてみても、問題を慌てて判断の上最後まで解き切るのは、塗り絵になるよりむしろ悪いらしく、確実に問題を解いて行ったほうがいいらしい。なるほど、参考になる。

結果発表編はまた、後日。

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