5月ごろに吉田カバンのTANKERを買った。カバンを買うなんて何年ぶりだろう。そんな久しぶりに買ったカバンは今では自分の宝物になっている。
今回購入したカバンは休日用に使用するSLING BAG W zip。
TANKERを買うにあたっては、事前にいろいろ調べた。Made In Japanの代表格であるカバン、TANKERはもはや日本人なら誰しも知っている存在であるが、近頃だいぶ改革に近い変化が起こった。その変化、そもそもどんな歴史を歩んできたのかを改めて調べるうちにどんどんと興味が湧いて、買いたい、所有したいと言う欲が生まれ結局購入に至った。
今回は、TANKERの歴史を簡単に振り返りながら、自分が買ったSLING BAG W zipをレビューしていきたいと思う。

まずは歴史の話。TANKERとは。
改めて説明すると、PORTER(ポーター)は、1935年創業の吉田カバンが1962年に立ち上げた日本のバッグブランドである。ブランド名は、ホテルなどで客の荷物を預かり、鞄の良し悪しを熟知する「ポーター」という職業に由来する。「国内の職人」による丁寧な縫製を重視し、丈夫さ、使いやすさ、収納力を備えながら、流行に左右されにくいシンプルなデザインを追求してきた。
「国内の職人」が変革の重要なキーワードになるのだが、それはまた後ほど。
話を戻そう。PORTERのなかでも1983年に誕生した「TANKER(タンカー)」は、米軍のフライトジャケット「MA-1」をモチーフにした、軽く柔らかな三層構造の生地と鮮やかなオレンジ色の裏地が特徴である。ブランドを代表するシリーズとして、ビジネスから日常、旅行まで幅広い場面で親しまれている。そう、街を歩けばリアルな話、3日に1回はTANKERを身につける人を見かけると思う。本気で街行く人を見渡せば、絶対に見ると思う。
近年は、ショルダーバッグやスマートフォン用ポーチなど、身軽な外出に対応する小型アイテムも充実している。さらに2024年には、TANKERを100%植物由来のナイロンで全面刷新した。従来の雰囲気を残しながら、素材や部品、使い勝手を見直し、環境への配慮と日本のものづくりを両立させている。長く使える品質と、時代に合わせて進化し続ける姿勢こそが、PORTERが現在も多くの人に支持される理由である。
ということで、2024年にTANKERは大きく変わった。
環境の配慮はわかりやすい。昨今のSDGsの動きがありますからね、ええ。石油由来から植物由来へと変わることによって石油の使用量を減らし、CO2排出量も同じく減少する。
もう1つが先ほど書いた「国内の職人」。Made In Japanを維持するってことは国内で製造を担う職人を維持するってことなんだね。国内の職人を一定する維持するために、TANKERは大きく変わった。
何が変わったのか。それは100%植物由来のナイロンに変わったことで、価格が大きく変動して爆上がりした。

素材は、吉田カバンと東レが協業して開発した100%植物由来のナイロンである。TANKERらしいふわふわとしたやわらかさを維持しながら、石油由来原料に依存しない素材への転換を目指し、東レとともに新たな糸の開発に取り組んだ。その中核となるのが、東レのナイロン510繊維「Ecodear N510」である。原料には、ヒマ由来のセバシン酸とトウモロコシ由来のペンタメチレンジアミンが使用され、植物由来割合100%を実現している。すごい素材らしいけれども自分でも何を書いているのかよくわからない。
この素材は、植物由来でありながら、従来の石油由来ナイロンと同等の物性を実現していることが特徴である。東レの素材開発技術と吉田カバンが長年培ってきたバッグづくりの知見を組み合わせることで、TANKERに必要な触った時の柔らかさ、それだけではなく、強度や実用性を備えた素材へと仕上げられた。また、吉田カバンは東レとともにこの革新的な糸を開発し、世界で初めて量産化に成功したんだって。
2024年のTANKER全面刷新は、単なるデザイン変更ではなく、ブランドを象徴する素材そのものを次世代へ置き換える試みである。従来のTANKERが持つ質感や使い心地を受け継ぎながら、環境への配慮と機能性を両立させた点に、新しいTANKERの大きな価値がある。
休日に入れる荷物は、お茶と日焼け止め、眼鏡ケース、スマホだとするとTANKER SLING BAG W zipは全部入る。これに加えて、GR IIIも入る。すっぽりと。
ちなみにサイズは、W230×H140×D50mm。

SLING BAGのサイズは3つ。SLING BAGとSLING BAG W zip、SLING BAG W zip(L)。
吉田カバンの表参道店で試着して見て感じたのは、SLING BAGだと財布とスマホが入り、SLING BAG W zipだとそれらに加えてコンパクトカメラと350mlのペットボトル、SLING BAG W zip(L)ともなると文庫本や折りたたみ傘も入りそう。あくまでも全部入れて確かめたわけではないので感覚的な話。
割とコンパクトな大きさでありながらも、結構入る。デザインはある意味普通でありながら、機能面はかなり充実している。メインとなる箇所はカメラやお茶、スマホを入れて、手前にはメガネやサングラス、そして最も手前の部分には、そうだなぁ、飴ちゃんでも入れる。1日どこか散歩に行くとすれば十分、でしょ?

何よりも軽い。フライトジャケットの生地はこんなにも軽いのか、と思う。純粋に荷物の重さが肩に乗っている感じなので歩いていても、体への負担が少ない。TANKER SLING BAG W zipの重量はわずか268g。AerやBellroy、tomtocの同系統のスリングバッグが約340~410gであることを考えると、その軽さは際立っている。

なんか正直、街中でTANKERを身につけている人を見た時に、「あぁはいはい、TANKERね」くらいにしか思わなかったけど、いざSNSやホームページで調べてみると、TANKERの歴史や地球環境に対する配慮、革新的ではないものの安心感のあるデザインを目の当たりにすることとなり、だんだんと購入意欲が湧いてきた。
以前とデザインや色は何も変わらないのに、大きく変わった。いろいろなカバンを使ったけど、日本人なら結局はPORTERだよね、TANKERだよね、となるはず。自分も使い始めた時に妙な安心感というか子供の頃に使ってたTANKERの思い出すような感覚が出てきた。
このカバンを10年以上使っていきたい。
